ルカの昼寝

ルカの昼寝

社会の歯車がなぜ歯車なのかを理解し始めた

深夜徘徊部 番外編:11月の海は

現在時刻は午前3時21分.

さっきまで海に行ってた.

徒歩で.

 

最近精神的な不調があるのはご存じの通りって感じなのだけど,友人とスマブラやってたら負けまくってなんかうわーってなった.いや別にそれは直接的な原因じゃない.スマブラしてる時に,たまたま不調の波が来ただけなのだ.

そんで,とりあえず家を飛び出してみた.上着だけちゃんと着た.途中で気付いたけど,下はパジャマのまんまだった.別に誰と会うわけでもないのだが.

どこに行くか決めずに夜空を見上げながら歩いていたら,流れ星を見た.流れ星なんていつぶりに見たか分からない.東野圭吾作品を読んだからだろうか.それで願い事を考えた(もうとっくに流れてったが)のだが,それといった願いが出てこなかった.

 

そこでふと,「願い事を決める」というのと,「海に行きたい」という発想が出てきた.

 

前者はともかく,後者を思いついたのはカウンセリングの成果によるものが大きいと思う.エゴ何たら診断みたいなやつによれば私は「優しく正義感が強い,自由奔放さに欠ける,価値観を押し付けがち」らしい.(まさにその通りだと思う.)なので何か自由奔放そうなことを思いついたらやってみようと思っていた.まぁ元来自分は突拍子もないことをたまにやりだす(...例のこうがく祭の企画とか)ので,その点普段抑圧してるものがあるのかもしれない.ともかく,そんなわけで海に向かうことにした.

 

まぁ海につくまではただ歩いただけなのだが,どこが海につながっているのか知らない道を歩くのは面白かった.現代でそんなことをする人はあんまりいないと思う.というのも,私はスマホを家に置いていったのだ.時間とかを忘れるためだったけど,いい方向に転んだわけだ.変な路地や行き止まりに入ったりしたのもうれしかった.これはアルジャーノンのせい.

 

海に着くまでにいろんなことを考えた.特に,今の時期,この時間帯に海に向かう人は,きっと死にに行く人ぐらいしかおらんやろなぁと思った.私は別にそのつもりはなかったけど,でもまぁそれはそれでも良いなぁって感じだった.11月の海はきっと寒いと思う.うーん,私はそんな中で死ぬ勇気があるほど強い人間ではないかな.

 

意外と海には簡単についた.といっても50分くらい歩いてたのだが.漁港の看板を発見できたので向かったら,ちゃんと漁港があった.そういえばここに引っ越してきた時に,一度だけ訪れたことがあった.その時は車だったが.

 

11月の海は暗かった.波の音がずっとこだましていた.時折来る白波の音は怖かった.自分の存在は凄く小さなものに感じた.自分の声や体など簡単にすべて飲み込んでしまうような,そんな雰囲気があった.遠くの海では雷が鳴っているのが見えた.

 

上を見上げると,星空がとてもきれいに見えた.オリオン座と北斗七星とあってるのかわからない冬の大三角を見た.きっとほかの星も先人たちが線をつないで何かを連想したのだ.

 

11月の海は本当に冷たいかを確かめたかったが,テトラポッドは滑って危ないのはよく親と貝を取りに海に行っていたから知っている.ましてや,月明かりしかない夜に.手がかじかんでいるのだから,検証としてはそれで十分だ.

 

折角海に来たし何か叫ぼうと思って,最初に浮かんだのは「バカヤロー」だった.そんなベタな.でも,いざ叫ぼうと思ったら心が躊躇した.何故かはわからないが.誰がバカヤローなのか?

 

ゆっくり夜空を見ながら深呼吸して,落ち着かせて,しばらくした後,ちゃんと叫ぶことができた.たかだか1単語でのどの枯れを感じたのは,きっと普段の口数が減ったせいだと思う.これまたせっかくだしもうちょっと叫ぼうと思ったが,なんか気乗りがしなかったのでやめた.自分かも誰かもわからない馬鹿野郎に対して,とりあえず馬鹿野郎と叫ぶことはできたのだから,それでいいのだ.

 

帰ろうとしたとき,願い事を思いついた.ちょっとカッコよく言うなら,「わが人生に幸多からんことを」.筋肉番付かなんかでアナウンサーの人が言ってた「君に,幸あれ」というセリフが好きだったのを思い出した.二人に言われたことも思い出した.今はあんまり幸せな気分じゃないけど,今までの人生は結構頑張ってると思うんだよな.今後はもう少し幸せでもいいと思う.そんでそれを願うくらいはバチは当たらんだろう.

 

帰る途中の警察とかマックとかファミマとかの話も書きたいが,とりあえず早く書き終えて寝たい.疲れた.でも達成感はある.これが自由奔放ってやつか.なるほどなぁ.

 

どうしようかな,オチが無いな.

 

結論:11月の海はとても良かった.

まぁそんなわけで,皆さんも疲れたら海に行って叫びましょう.