ルカの昼寝

ルカの昼寝

社会の歯車がなぜ歯車なのかを理解し始めた

星との摩擦が増えるたび

例えば、街を歩くとします。

私が街を歩くのなんて通勤の時くらいだから、毎朝ほぼ同じ景色の中を歩いている。看板や情報はほとんどなく……それでも、私が毎日突っ切っている公園は、大多数の人の憩いの場に、ひいては明日死なないための場所になっていると思う。

銀色の蛇口は無いけれど。

会社の人達との飲み会とか団体とかに積極的に参加していたのは、自分が社会において繋がりを持つことの重要さを知っていたからだと思う。そもそも会社に入ったこと自体もそうで、やはり社員となると制約がついてくる。

ある日、自分はそれを邪魔だと思った。自分が望んで手にしてきたものが、自分の行動を狭めていると思った。

彼らはそれを「星との摩擦」と呼んだ。

私の摩擦は大きいと思う。結構踏ん張ってると思う。よく踏み止まっていると思う。よく止まるだけの摩擦を用意してきたと思う。

でも。

本当は、自分の欲望のままに行動してみたい、そんな星に生まれたかった。そう思う日もある。

その矛盾を抱えたまま、ずっと生きている。正欲とそうでないものに両側から綱引きされながら、それでも、一つ一つ、摩擦を積み重ねている。

今日、あなたの連絡先を消すのも、きっと摩擦を増やすことにつながると信じている。この長い旅の中で、それが正しいと信じている。

その度に思う。

今日も、まだ、正しく幸せにはなれない。