ルカの昼寝

ルカの昼寝

社会の歯車がなぜ歯車なのかを理解し始めた

親が,ガンだと知った日.

今日の火曜日は,別に普通の平和な一日だったと思う.

 

土曜日に,母から「火曜に重大報告がある」と言われていた.火曜になったら重大かどうか分かるとも言っていたので,きっと何かの検査の結果待ちかなとは思っていた.

 

そして今日.
父が前立腺ガンである,とのことだった.

 

土曜日から身構えていたので,離婚が最悪かなぁ,ガンとかもあるかなぁ,などと想像はしていたが,まさか本当にガンだとは.

 

想像の甲斐あってか,驚きはなくて想定の範囲内,って感じだった.なんか検査の結果が悪そうみたいなことは前々から言っていたので,色々納得というか半分安心した気持ちすらあった.

 

でもよくよく考えると,ガンというのは重い病気である.日本人の死因ランキング1位にはガンの文字が煌々とあるし,転移なんかしたら大変そうなのは医療関連に疎い私でもわかる.

 

自分を育ててくれた親の死が,着実に迫ってきているのを感じた,気がした.
今までは目に見えなかった巨大な雲のような何かが,少しずつ,それでも確実に近づいていることを風と匂いで感じた.

 

きっと私の父は無駄な心配をかけないように,母にも自分にも少し容体を軽く説明しているのだろう.母もそれをわかっているから,私が心配しないようにしてくれているのだろう.それが分かっていてなお,私はすぐに父に何かをしようという気にはなれない.今日したことと言えば月一の生活費の報告をメールでしたくらいである.

 

未来の自分がこのブログを見たら,泣きながら後悔するのだろうか.親孝行すればよかったと過去の私を憎むのだろうか.

 

でも今の私にとっては,無駄な心配をかけまいとしている親に無駄な心配をかけないことが親孝行であると,自分勝手な解釈を自分に言い聞かせて生活するのが楽だったのである.後悔するためのブログを書くなんてシャレが未来に通用するのだろうか.通用しなかったらごめんな自分.

 

落ち込んでいない自分に落ち込む,人生の分岐点だったかもしれない火曜日の記録.